少年ケニヤ
少年ケニヤ
オバマ・アメリカ大統領のお父さんはケニヤ出身ですが、誕生日の1961年8月4日に日本では「少年ケニヤ」が放映されていました。この番組を通じて「ケニヤ」と言う国の存在を知った日本の子供達も多かったはず。面白い符合だと思います。
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少年ケニヤはナショナルキッドの直後(1961年5月4日~1962年2月8日) に同じ局、同じスポンサーで放送されました。私にとって思い入れの深い番組ですが、1984年にアニメが製作されたためかビデオもDVDも販売されておらず残念です。東映チャンネルで再放送されることを切望しています。 少年ケニヤ - Wikipedia
第一部:1~13話(魔神の山);第二部:14~26話(バジャー王国);第三部:27~39話(秘密研究所);第四部:40~41話(再会)
【1話】 一機のセスナが飛んでいた。乗っているのは日本人の科学者、村上博士とその息子ワタルだ。ケニア山上空に近づいた時、突然、機関銃の射撃をうけ、セスナ機は墜落した。パラシュートで脱出した村上博士、ワタル父子は離ればなれになってしまった。墜落地点には三魔人と名乗る怪人が現れた。
【2~13話】 三魔人の正体は、ガルゴ、ザッケン、オンドンというリビア砂漢の外人部隊の脱走兵だった。三人は魔神の山に膨大な埋蔵量のウラニュームがあることに目をつけ、ケートの予言でポロ族とマサイ族を争わせ、魔神の山に人を寄せつけまいとしていた。インド人の私立探偵アッサムはザッケンを追ってケニアヘ来るが三悪人の魔手によって消息を断つ。ワタルはゼガや謎の三騎士の力を借りて三悪人を倒す。騎士に扮していたアッサムから父がナイロビの病院にいることを知らされたワタルは、ゼガ、ケートと共にナイロビヘ旅立った。
【14~26話】 父は既にナイロビにはいなかった。一行は父を見た行者の言葉に従いルーウェンゾリ山のアジャー王国へ。そこで、ワタルやケートは王位継承をめぐった内紛にまきこまれる。ムン・ダラーの弟子タリタリ小僧や、虎の顔と名乗る怪人(実はアッサムの変装)と共にワタルは正義のために活躍する。
【27~39話】 密林の中に秘密研究所を建設、世界から有能な科学者をさらってロケットや原爆を製造する陰謀団があった。村上博士もそこに働かされていた。
【40~41話】 アフリカではマウマウ団の暴動が勃発していた。その動乱の最中ワタルは父にめぐり会い日本へ。ケートも幼い時に別れた両親の元へ帰ることができた。 宇宙船 Vol.10 (1982)より
1961年5月4日 朝日新聞テレビ欄
「少年ケニヤ」 きょうから NET 百三十万円かける 製作費一回分 まっ黒に塗っての強行撮影
いままで作られた日製子ども向きテレビ映画の中でも、一級の作品と呼び声の高い「少年ケニヤ」が、四日からNETテレビ(木曜夜6:15~45、東北放送テレビ、新潟放送テレビ、北海道放送テレビ、静岡放送テレビなど十一局ネット)に登場する。これは東映テレビプロダクションの制作したもので、一回分にかけた制作費用が公称百三十万円。国産テレビ映画では記録破りのぜいたくなフィルムだ。
「少年ケニヤ」の原作は山川惣治氏。さる二十六年十月から三十年十月までで、まる四年間にわたって連載されたこども向きの絵ものがたり。かつてある独立プロが、テレビ映画に企画したこともあるが、何しろアフリカを舞台にしたスケールの大きい内容のものなので、途中で投けだしたといういわくつきのもの。東映では四月末までNETテレビから放送していた「ナショナルキッド」のあと番組として企画を進め三月八日から撮影を始めた。
舞台はアフリカのケニヤ地方。ここは豊富な地下資源をもつ未開の宝庫であるとともに、猛獣王国としても知られている。ここへ原子科学の権威「村上博士」(中山昭二)が、動物好きな一人むすこ「ワタル」(山川ワタル)とウラニウム鉱調査にくる。ところが飛行機が悪者の撃った銃弾にあたったためパラシュートで不時着し、父と子は別れ別れになる。ワタルはピッコロを吹きながら父を求めてさ迷ううち、しゅう長の座を追われたマサイ族の「ゼガ」(岩城力也)にあう。ワタルは彼を助け、ポロ族とマサイ族をまどわす魔神山の三悪人をこらしめようと勇敢に戦う。正義と博愛の心にもえる少年英雄ワタル。彼が出あういろんな土人、猛獣、悪人たち。異境の地にくりひろげられる冒険と活劇が、こども向きに変化の多い筋立てでどっさり仕組まれているというわけだ。
東映ではアフリカの感じを出すため、現地撮影の実写フィルムをふんだんに用意し、スクリーンプロセスでつじつまを合わせる方法をとっている。このためわさわざ特殊装置を新調したほどで、そのせいか試写をみた人たちのあいだでも「なかなかよくできている。いままでの日本製テレビ映画のレベルを抜くできだ」と解判がよい。飛行機のとぶシーン、落ちるシーン、パラシュートで降下するシーシなども、従来のものにありがちだったトリックの薄手さがほとんど感じられない。
スタッフは脚本が松浦健郎、朝島靖之助、撮影が中町武、美術が有隅徳重、音楽がいずみ・たくの各氏のほか、監督を「風小僧」「白馬童子」の仲木睦氏が担当している.主役の村上ワタル少年役は、さる二月に一般から公募、千八百人の中から武蔵野市盈進中学二年の沓名信夫君(山川ワタル)がえらばれた。ケープタウンのダイヤ王の金髪娘ケートには元日活女優日暮里子さんのひとり娘緑川節子さんが登用された。
映画はものがものだけに、出演者の大半は土人の役。そのため、ゼガ役の岩城力也、マサイ族の娘ロンダ役の森るみ子ちゃん(十一)など土人になる連中は、水性ドーランで全身まっ黒に塗っての強硬撮影が続いている。そのため暑くなるとみんなバテるから早くとり終わろうとスタッフは馬力を上げてとりだめしている。なお、従来の日本製テレビ映画は、一回分の製作費が六十万円から八十万円見当といわれ、百万円を越したものはほとんどない。こんどの百三十万円はその意味でも新記録になりそうだ。
YouTubeに映像がアップされています(少年ケニヤ)。後半は第一話の冒頭、ワタルと父親の村上博士が飛行機で遭難するシーンですが、前半部は第二部(バジヤー王国編)のオープニングのようです。左のメンコは三魔人の一人ガルゴ(ナショナルキッドで山田博士役だった山口勇さん)、中央はケート(関みどりさん)、右はアッサム探偵役の巽秀太郎さん(ナショナルキッドではキッド役)です。そして、中学三年生だった谷隼人さん(本名の岩谷肇で出演)がタリタリ小僧役で出演されていました(右下の写真でワタルと戦う左側の少年;「東映の友」1961-10月号)。
動物好きなワタルが、父村上博士に連れられてアフリカヘ渡り、飛行機の故障でパラシュートで降下、風のために父と別れ別れとなり、父を尋ねて密林をさまよううちに、部下の陰謀で酋長の座を追われた原始マサイ族の大酋長ゼガをみて、正義の念に燃えるワタルは、勇躍その悪計と戦って、日本人ワタルの名声を高めますが、果して父と再会出来るでしようか?(『東映の友』 1961年6月号より)
「ゼガ」が「ガゼ」、「岩城力也」が「岩城かせ」、「ケート」が「チナ」と誤植されています。癖字の原稿を良く確認しないまま写植したものと考えられます。
ワタル少年が、ケートと共に父を尋ねてナイロビの街に行く途中、雷雨に遭い、断崖から落ちて彷徨するうちに、何時しか不思議な世界に入る。そこは太古に、亡命エジプト王族が建てた秘境バジャーで、今しも反乱軍が起り、国内は激戦最中。ワタル少年はその騒ぎに巻き込まれるが、遂に悪を仆し、正義を助ける、波乱冒険物語が繰り展げられます。(『東映の友』 1961年7月号より)
父を尋ねて旅に出たワタルとケート、ゼガの三人はベルモ族の酋長から、日本人が北の方へ行ったと聞いて歓喜する。村上博士は密林をさ迷ううちに持病のマラリヤが悪化して倒れるが、ワグナー元帥と名乗る化学者に助けられ病気をなおしてやる代りに自分達の神聖な事業の協力を求められる。ワタル達は父の連れて行かれたらしい密林の盆地まで来たが、其処はロケットの発射揚があったりして土人達は地獄の密林と呼び近づこうとしない。ワタルは何か秘密があるなと察して、この謎の研究所に入り込む決心をする。その研究所の正体は…?。(『東映の友』 1961年10月号より)
山川ワタルさん
主人公の「村上ワタル」役は1,800人の応募者から選ばれたと言う山川ワタルさん(本名:沓名信夫)が演じられました。役名の「ワタル」に原作者の山川惣治先生の苗字を組み合わせて芸名としたようです。この作品の後、続・柔(1965)、お嫁さん 第一シリーズ(1966)、あいつと私(1967)、花の恋人たち(1968)などのテレビ番組の他、俺たちの恋(1965) 、黄金バット(1966) 、雪の喪章(1967) 、恋人と呼んでみたい(1968) などの映画にも出演されています。当時は中学二年生(武蔵野市盈進中学)で、もう還暦を迎えられているはずです。
少年サンデー(1961年20号)に山川ワタルさんの記事がありました。ジャングルのシーンは箱根の十国峠で撮影されたようです。
関みどりさん
「ケート/アメメ姫」役は関みどりさんです。赤ん坊の頃の写真をもとに現在のケイトの似顔絵を書くシーンがあったのですが、髪型も含めて全てそっくりで、「こんなことが出来るのか!」と、とても驚いた記憶があります(小学校入学前の話ですが・・・)。少年ジェットでは本名の緑川節子で「浅川早苗」役を演じられていました(下)。白鳥の騎士(1962、雪姫=右の写真)、空手三四郎(1965)、これが青春だ(1967)、お嫁さん 第三シリーズ(1968、明子の友人=左の写真)、遠い砂丘(1970) などのTV番組の他、喜劇・駅前医院 (1965)、私は負けない(1966) などの映画にも出演されています。当時は中学三年生(1947年1月1日生)、山川さんよりも一学年上で谷隼人さんとは同学年です。お母さんは日活の女優だった日暮里子さんだそうです。 /
かつて「少女」(光文社;1949年2月~1963年3月)と言う月刊誌がありましたが、毎号写真入りで「スリラー小説」が連載されていました。緑川節子さんは「おどるこけし!」(1959年6月号~8月号)には主役の節子ちゃん役で、「青バラ王女」(1959年9月号~11月号)には準主役の佐藤ユカリ(どこかの国会議員みたい)役で登場します。
森るみ子さん
「ロンダ」役の森るみ子さんは小学5年生でした。 名犬ロック(1962)、泣くな!青春(1972)、レインボーマン(1972)などのテレビ番組の他、若大将対青大将(1971)、父ちゃんのポーが聞こえる(1971) などの映画にも出演されています。YouTubeにも登場しますがなかなか可愛いです。
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配役
「東映TV特撮主題歌大全集1」には第一話のオープニングが収載されています。これとYouTubeのオープニング映像から登場人物と配役を拾ってみました。赤は両方に名前がある方、青は第一話、緑はYouTubeに名前がある方です。ナショナルキッドに登場した打越正八さん、秋山敏さん、伊藤重利さん、志摩栄さん、上田有嗣さんの名前もあります。
村上ワタル:山川ワタル;ケート/アメメ姫:関みどり;ゼガ(マサイ族元酋長):岩城力也;グレ/タブール/アーレン:早木史郎;ザッケン(三魔神)/ハッサン:高原秀麿;村上大介博士(ワタルの父):中山昭二;ロンダ(マサイ族の少女):森るみ子;ガルゴ(三魔神):山口勇;オンドン(三魔神):打越正八;センゲ(マサイ族酋長):三島良二;ロメ(センゲの腹心):秋山敏;マサイ族:大久保達也,岡嶋泰次郎,伊藤重利;アッサム探偵/ミスターX:巽秀太郎;アリ:石森武雄;ヤルスン:志摩栄;トスネ:赤尾静子;エンマ:萩京子;タリタリ:岩谷肇(谷隼人);ショショ:八代健二;チョウ:豊野弥八郎;チョウの配下:上田有嗣,野村幸,桑原菊水
宇宙船 Vol.10 (1982)を見ると、この他に、アゴメ:志摩栄、バジャー王:三木宏祐、魔神ドリーナ:赤尾静子、ムン=ダラー:白河青峰、伊藤タケオ:戸田秀樹の名前があります。役は不明ですが、花沢徳衛さん、風見章子さん、藤江リカさんも出演されていたようです。
中山昭二 - Wikipedia 岩城力也 - Wikipedia 秋山敏 - Wikipedia 花沢徳衛 - Wikipedia 風見章子 - Wikipedia 藤江リカ - Wikipedia
コミックス
テレビ放映に合わせて、石川球太先生によるマンガが「週刊少年サンデー(1961年14号~62年15号)」に連載されました。右下は少年サンデー 1961年7月23日(1961-30)号で山川ワタルさんと森るみ子さんが表紙を飾っています。マンガショップシリーズの復刻版(下記)を読んでみたところ、原作にほぼ忠実な内容で、テレビ第二部の「バジャー王国」の話や、第三部のシルバーホワイトと戦うシーンは出てきませんでした。こちら(少年ケニヤ・上、少年ケニヤ・下)で立ち読みができます。
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謝辞 ナショナルキッドも含めて役者情報の多くは、マヤの暦さんのHPを参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
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